第4回  平成16年(2004年)5月20日掲載

 キンメペンギン保護区


 
  
 
ニュージーランドの旅の途中、大学都市ダニーデンの近く、キンメペンギン保護区に立ち寄りました。
 キンメペンギンというのは、黄色の目と、目から後頭部まで続く線が特徴の、世界で3番目に大きいペンギンです。ニュージーランドにだけ、それも5千羽ほどしか生息していません。
  羊牧場の海寄りの広大な一角が、保護区になっていました。観光客を案内するガイドはほかに何人かいましたが、私たちの前に現れたのは、牧場のオーナー本人。バードウォッチャーである私たちに対する配慮があったようです。「今まで羊の毛刈りをしていた」としみだらけの汚れたズボンのまま、にこやかに案内してくれました。
 まず、丘の上に登り、海から帰ってくるペンギンを見ました。広い海から時々上がって来て、波打ち際をてくてく歩き、草原を越え、内陸に向かいます。
  内陸には、ペンギンが子育てをするための巣小屋が用意されています。斜めに板を立てかけただけの素朴なものです。そのいくつかで子育て中です。
  人間たちは、地面を掘って上を覆った低く狭い通路を歩いて行かなければなりません。ここではペンギンが主役です。木造の観察小屋にたどり着くと、細い観察窓の向こうで親鳥が雛に餌を与えていました。
  野鳥を保護するための地域や施設などは世界中にあります。日本でもタンチョウの保護区などは有名です。
  それにしても個人の所有地の広い部分をそのまま保護区にしてしまうとは。人手や費用も大変なものでしょう。自然と鳥を好きな人が、ここにもいました。
  予定時間を大幅に超えて案内してくれたオーナーと別れの握手。大きく、分厚く、力強い手でした。


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