第9回  平成16年(2004年)11月25日掲載

 ケニアのバードウォッチング事情


 
  

  頭から背にかけては何種類かの青、くちばしから腹は赤と朱色。日本のカワセミを「飛ぶ宝石」と呼ぶなら、これは何と呼んだらいいでしょうか。アフリカのケニア、ナイロビ国立公園で撮影したカンムリカワセミ、花の様な鳥です。ケニアにはこんな色鮮やかな鳥たちが、種類数、個体数とも、信じられないほど多く棲息しています。
 それなのに、日本における野鳥の会のような組織はなく、バードウォッチングはあまり盛んではありません。ライオンなど獣類に目が向いてしまっているからです。サファリツアーはアニマル中心、鳥のガイドはほとんどいないようです。
 大分前のことですが、鳥友のYさんが仕事でケニアに行った時、折角の機会だからと、十分な準備ができないまま、サファリに参加しました。あの鳥は何かとガイドに聞いたら、「コモンバード」と答えました。それをメモして別の鳥について聞いたら、また「コモンバード」。どの鳥を見ても、「コモンバード」。鳥種名を教えていたのではなく、ただ「普通の鳥だよ」と言っていただけだったという笑い話があります。
 私がケニアのバードウォッチングツアーに参加したのは五年前。日本の旅行会社が企画したもので、あらかじめ鳥のリストや図鑑を用意し、日本から鳥の案内人も同行しました。
 現地のガイド兼運転手の中には、逆に、詳しい日本人に鳥の名前を聞き、勉強を始める人もいました。
 日本では今、冬鳥が北の国から次々と渡って来ています。言葉が楽に通じる自分の国で、情報豊かなバードウォッチング環境の中、日本ならではの季節の移ろいを、ゆっくりと味わうことができます。



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