第19回 平成17年(2005年)12月22日掲載


 
           ホオジロハクセキレイ 

 11月13日(日)、さいたま市秋ヶ瀬公園の道端で、数羽のハクセキレイが、チチンチチンと鳴いて飛んだり、地上を忙しげに歩き、餌を探したりしていました。その中の1羽(=写真)に目がとまり、思わず自転車を急停止。普通のハクセキレイなら、目のところを横切る黒い線(過眼線)があるのですが、この1羽にはそれが全くなくて、真っ白の顔なので
す。 
 少し話がややこしくなりますが「ハクセキレイ」というのは、鳥の「種」の名前です。それを更に細かく分類する「亜種」という段階で言うと、普通のハクセキレイは「亜種ハクセキレイ」ですが、顔の白いこの1羽は「亜種ホオジロハクセキレイ」と思われます。
 日本の図鑑では、ホオジロハクセキレイの背の色は黒としか書いてありませんが、海外の図鑑などを調べてみると、幼鳥の背は灰色らしいのです。この個体は背が灰色と黒のまだらですから、少し成長の進んだ幼鳥でしょう。
 国内では、九州と本州西部でホオジロハクセキレイが繁殖していることが知られていますが、関東地方などの繁殖は知られていません。ところが私は、この付近で、2年前の8月末にも、背が灰色の、ホオジロハクセキレイの幼鳥と思われる個体を撮影しています。
 西日本や九州で生まれた幼鳥が秋に関東地方に渡って来ることは考えにく
く、秋に幼鳥がいるということは、その近くで生まれたか、より北の地域で生まれて、南に渡って行く途中ではないか、ということになります。2度もこの辺で幼鳥が観察されたと言うことは、どこかまだ知られていない定期的な繁殖地があるのでしょうか。
 ハクセキレイはよく見かける鳥ですが、道端の数羽の中に、謎がひとつ混じっていました。


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