第20回 平成18年(2006年)2月23日掲載


 

 
           シジュウカラガン 

 

 1月20日付け本紙に、朝霞市内で発見されたシジュウカラガン=写真1月8日海老原撮影=の記事が載っていました。そこには「種の保存事業として昨年8月に千島列島のエカルマ島で放鳥した」とありますが、野生のガンに足輪を付けて放鳥したものと、勘違いした人もいたようです。
  仙台市の八木山動物公園は、ロシア科学アカデミーなどと協力して、人工飼育したシジュウカラガンを北部千島列島で放鳥し、日本に渡ってくることを期待する「シジュウカラガン回復計画」という事業を、もう何年も続けていま
す。
 今回飛来したこのガンの母親は、カムチャッカの飼育施設内で生まれたも
の、父親は、アメリカ国内で捕獲され、ロシア側に提供されたものであることが分っています。こういう両親の間に生まれて施設の中で育ち、エカルマ島にヘリコプターで運ばれて、放鳥されたのです。
 人工的に育てられたガンがはるばると飛来した、それはそれなりに素晴らしいと思いますが、少し困ったこともあります。「赤の75 」という足輪を着けたこのガンは、野鳥なのでしょうか、飼い鳥なのでしょうか。野鳥の存在は自然環境のある状況を反映していますが、飼い鳥ではそうは言えなくなります。
 議論の結果、今回は野鳥の会県支部で作成している県内野鳥リストに加えないことになりましたが、もしも放鳥されたものが野外で繁殖したら、その子らは、どう考えたらよいのでしょう。
 某公園から逃げ出したらしいサカツラガンという鳥も、県内で目撃されています。野鳥なのかそうではないのか、判断の難しい例が増えています。


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