第23回 平成18年(2006年)6月1日掲載


 

カッコウ

 

 カッコウは、カッコウ、カッコウと鳴くその声がそのまま名前になっていて、英名でも、Cuckooです。田植えの頃に渡って来る夏鳥ですが、意外と身近にいます。私の住むさいたま市では、見沼田んぼや荒川に近い水田地帯などで、よく鳴いています。苗が育つ水田に、のびやかな声が響きます。
 目立つ木の上などで胸を張り、尾を振り振り、誇らしげに歌い続け、縄張りを主張し、異性にアピールしているのは、オスのカッコウです。ところが、写真のカッコウは少し様子が違い、鳴きもせず、枝に平行に身を沈めるようにとまっています。渡って来たばかりで疲れているのかな、という人がいました
が、そうではないようです。首を傾けて、下のアシ原を見ています。
 カッコウは他の鳥の巣に卵を産みこみ、その巣の親に、自分の雛を育てさせる「托卵(たくらん)」という繁殖行動が知られています。つまりこの写真は、アシ原の中に作られているオオヨシキリの巣の様子を伺っているメスのカッコウが、まさに「托卵をたくらんでいる格好」なのです。
 この駄洒落、この時期カッコウの見られる地域でよく飛び交っていますが、高らかに歌っているのに比べると、実際にこの姿を見る機会は、少ないと思います。  
 カッコウは、ホオジロの巣にはホオジロの卵によく似た卵を、モズの巣にはモズの卵に似た卵を産みつけます。他の鳥に自分の子を育てさせて楽をしているようであり、逆にそのためにずいぶん苦労しているようでもあります。
 カッコウとしては、子孫を残すのに托卵の方が有利だと、どういうところから判断したのでしょうね。

           


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