第25回 平成18年(2006年)8月3日掲載


コアジサシ

 さいたま市桜区で、15 階建てマンション14 棟を建設する計画が進んでいます。その敷地内で白い鳥がたくさん飛び交っているのに、近くに住む方が気付きました。コアジサシです。台状に積まれている砕石の上で、子育てを始めているようです。
 このまま工事が進んだら大変と、私ども野鳥の会県支部の事務局に電話をいただいたのが、7月4日のことでした。工事担当会社の連絡先などを確かめてから、7日には電話で、営巣地周辺での工事停止をお願いしました。同時に、県鳥獣保護員をつとめる当支部会員を通じて県みどり自然課野生生物担当にも連絡。県職員2人が現地にかけつけ、建築主会社の担当者と出会い、工事一部停止の話し合いが開始されました。11 日には、両社に、支部として文書で工事停止を申し入れました。
 両社のご理解で、現在、営巣地周辺での工事は止められています。この写真は7月29 日(土)に私が敷地外から撮影しました。工事が進んでいたらこの世に生まれなかった雛が、2羽見えます。こんな巣が少なくとも10 数個、最大30 個程度あるのではないかと推測しています。
 コアジサシは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧U類種、種の保存法で国際希少野生動植物種とされ、日豪渡り鳥条約などの対象にもなっています。繁殖に適した河原、海浜での裸地などが少なくなり、工事現場にもコロニーを作るようになりました。海浜部のものに比べれば小規模ですが、内陸部としては貴重です。
 孵化後15 日から17 日で飛べるようになります。最終的に何羽飛び立つことが出来るか、気がもめる日々が続いています。
           

 


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