第30回 平成19年(2007年)2月22日掲載



アリスイ

 1月のある日、さいたま市秋ヶ瀬公園でアリスイ=写真=に出会い、くちばしの先から長い舌がするするっと出た瞬間を撮影しました。この舌を使ってアリなどを食べます。だからこの鳥の名前は漢字で書くと「蟻吸」。スズメより少し大きいキツツキの仲間です。
 日本では北海道などで繁殖し、冬は本州の暖かい地方に移動します。アリが冬眠すると南に移動すると言われるので、アリについて少し調べてみました。ネットのあるサイトによると、日本のアリには北方系と南方系があり、両者では冬の過ごし方がかなり違うとのこと。巣穴を地面の下に作るのは北方系のアリ。地下は深さによって保温効果が高まり凍死することはないのですが、気温が低くなると冬眠状態でじっとしていて、巣穴の入口もふさがります。南方系のアリは、枯れ木の芯に巣を作ります。冬でも0度以下になることが少ない暖かい地域に生息していますが、時々0度近くになる時は仮死状態になり、暖かさが戻るのを待ちます。
 県内には北方系も南方系も生息しています。秋ヶ瀬公園のアリの詳細はわかりませんが、いずれにしても、0度近くになると地表近くでのアリの活動は全くとまるようです。ということは、0度前後が、アリスイがアリを見つけやすいかどうかの分かれ目になるのではないでしょうか。確かにこの辺りでは、秋ごろにアリスイが見られても、寒さが厳しい冬には、いなくなってしまうことがあります。
 今冬の秋ヶ瀬公園には、北国や山に餌が少ないために渡ってきた鳥たちもいます。この場合は昨年の気候の影響です。一方、アリスイの滞在は、今冬が暖冬であることの影響です。           

 



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