第34回 平成19年(2007年)6月7日掲載


ヒナを拾わないで!!


 今、たくさんの野鳥のヒナたちが、次々と巣立っています。身近なところでは、ツバメ、スズメ、ムクドリなど。林の中ではモズ(=写真)も大きな口をあけて、餌をねだっています。
 野鳥の親子にとって、巣立ちの季節は、実は「恐怖の誘拐」の季節でもあるのです。毎日のように、野鳥の会県支部事務局に電話がかかってきます。 「落ちていたヒナを保護しました。どうしたらいいでしょうか」。これが実は「恐怖の誘拐」なのです。「せっかく保護してやったのになんという言い方だ」と怒らないでください。ヒナは羽もまだはえそろわない、上手に飛べない状態で巣立ち、地面に降りていることが多いのです。人が近くにいると親鳥は寄ってこないので、地面に落ちて途方にくれているように見えるかも知れませんが、そうではなく、親鳥が安全な場所に連れて行く途中であり、ヒナは自然や危険や餌のことなど、急速に学習している最中なのです。その段階で人が「保護」してしまったら、どうでしょうか。親と子は2度と会えなくなってしまいます。ですから、野鳥の親子にとっては、「誘拐」になってしまうのです。例え人の手で育てられても、何も学習できていないわけですから、自然界では生きていけません。
 地上にいるヒナを見かけたら、そのままそっとしておいてください。確かにこの時が、ネコやカラス、自動車などによって命を落とす危険が最も高いのです。それでも、心を鬼にして、ほおっておきましょう。何とか生き延びて、元気に育ってくれよと祈りながら。
 野鳥の会は、他団体と協力して、今年も「ヒナを拾わないで!! キャンペーン」を進めています。 

 


読売連載入口に戻る
前に戻る
次に進む