第37回 平成19年(2007年)9月27日掲載


シロハラクイナと米作り体験


 沖縄の鳥シロハラクイナがさいたま市内で子育てをしたことは、昨年9月14 日の本欄でご紹介しました。その後、冬の間も居続けて、今年も子育てをしました。越冬も、2年続けての繁殖も、大変珍しいことです。
 一方、これをきっかけに、人と人の新しい繋がりも生まれました。昨年、この田んぼの持ち主Tさんが、シロハラクイナの雛たちのために、農薬散布中止を決断、私たちの保護活動にご協力くださいました。その田んぼで、「農家と野鳥の会の交流イベント・米作り体験」というのが、始まったのです。 
 野鳥の会会員の何人かが、ある程度の参加費を支払って、田植え、草取り、稲刈りを体験。日常の田んぼ管理はすべてTさんにお願いして、稲刈り後、参加費相当分の低農薬、特別栽培の新米が、真っ先に送られてくるというものです。
 今年5月3日に田植えが行われ、8家族15 人が、初めての体験を楽しみました。隣のアシ原で、シロハラクイナが鳴き続けていました。7月1日には草刈りを予定していましたが、雛たちが生まれたばかりで、大勢の人が入る草刈り体験は中止しました。7月8日、「米作り体験農場」と書いた看板に、なんと親鳥がとまり、ポーズをとってくれました。猛暑の夏の間、シロハラクイナと稲の生長を見守る日々が続きました。9月2日、いよいよ稲刈り体験。5家族6人が、「のこぎりかま」というかまで、稲刈りを体験しました。
 この地域の田は、古く「神子田(みこだ)」と呼ばれていました。Tさんから届いた「神子田米」の柔らかい甘さと香りを味わいながら、自然と農業、人と鳥、人と人、すべての繋がりに感謝しました。

 

 


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