第45回 平成20年(2008年)7月24日掲載


ヨシゴイ

 「アシ」と「ヨシ」は同じです。温帯から熱帯にかけて広く湿地に分布するイネ科の植物です。「アシ」が「悪し」に通じるのを嫌い、「良し」に通じる「ヨシ」と言い換えたとのこと。なぜこんな書き出しになったかというと、今回の鳥が「アシ原にすむヨシゴイ=写真=」だからです。
 関東では「アシ」、関西では「ヨシ」と呼ぶことが多いという話もあります。関西の人なら「ヨシ原のヨシゴイ」とすっきり書けるのかも知れませんが、関東に生まれ育った私は「アシ原」と言いたいし、鳥の名前を変えることもできません。「アシ原のヨシゴイ」とねじれてしまうわけです。
 夏鳥として飛来してアシ原で繁殖、秋には南の国に渡ります。全長37 センチくらい、日本で最も小さいサギです。さいたま市の荒川河川敷では、今年も6月初めから観察されています。
 土手から見おろすアシ原は風に揺れています。「クォッ、クォッ」。ゆっくりしたリズムの鳴き声に双眼鏡を向けると、葉かげでなわばりを主張するヨシゴイが見えます。突然飛び出すと、緑一面の田んぼにすとんと降りて見えなくなります。戻って来るとアシからアシをたどって素早く姿を消します。子育て真っ最中です。 

 



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