第47回 平成20年(2008年)10月2日掲載


タシギ

 9月の休日、野鳥の会の仲間たちと、さいたま市内でシギ・チドリ類の調査。足元の田んぼから、くちばしの長い鳥が、ジェッと鳴きながら飛び立ちました。稲株などにまぎれ、身を隠すのが上手なタシギ=写真=です。ユーラシア大陸北部などで繁殖し、冬は南の国に渡ります。県内低地の田んぼには、冬の間滞在するものもいます。 
 長いくちばしを差し込んで、泥中のミミズや幼虫などを食べますが、ちょっと不思議な気がしませんか。泥の中は見えません。どうして餌を探せるのでしょう。また、例えば箸を泥の中に差し込んで何かを挟むことを考えてみてください。箸を開いたり閉じたりするのは、結構大変だと思いませんか。
 実はくちばしの先端には敏感な触覚があり、目にたよらず泥の中の餌を探せます。ただ長いだけに見えるくちばしは、かなりそらすことができる構造になっていて、泥中で先端だけをそらして餌を挟みます。 
 餌を先端から口まで運ぶには、頭を前後に細かく動かし、空中に浮かしては挟む動作を繰り返します。餌がするすると口まで登るように見えます。
 足元に身をひそめる鳥にも、驚きがいっぱい隠されています。

 



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