第48回 平成20年(2008年)10月30日掲載


ムジセッカ

  新潟空港を飛び立ち、佐渡島を眼下に見てから1時間半、もう日本海の対岸、ロシアです。9月末から10 月初めの数日間、ウラジオストクとその近くに滞在して約100種の鳥を観察、そのうち99 %は、日本でも見られる種でした。日本とロシア沿海地方で共通する鳥種が多いことを、あらためて実感した旅でした。
 共通種と言っても、その中には、日本では見る機会が少ない種もいくつか含まれています。そのひとつがムジセッカ=写真=です。名前に反してセッカ属ではなくムシクイの仲間で、全長1112 センチ、小さな鳥です。シベリア、サハリンなどで夏を過ごし、冬は中国南部、インドシナなどに渡ります。日本には数少ない旅鳥または冬鳥として飛来しますが、日本海の離島に、比較的よく立ち寄ります。埼玉県で記録はなく、私がかつて出会ったのも、山形県の飛島などでした。  時には零下にさがった寒さの中、茫漠と広がるアシや草原の数か所で、南に向う途中のムジセッカが素早く枝移り、見えたと思うと、すぐに藪の中に隠れました。今の季節、日本海の北から南へ、日本列島に沿って、あるいはロシア沿岸を、たくさんの鳥たちが移動しています。 

 



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