第52回 平成21年(2009年)3月5日掲載


エナガ

 ジルルル、ジルルルと細い声で鳴きかわしながら、エナガが2羽、枝から枝へと素早く移って行きました。全長14 センチですが、尾の長さが8センチ近くもあるので、体の部分はたった6センチくらい、頭と目が丸く、いたずらっ子のような小鳥です。漢字で書くと「柄長」。長い尾をひしゃくの柄に見立て、名づけられました。
 ある木の幹の北側部分で、体全体を使い、よいしょ、よいしょと掛け声をかけているような動作で、緑色のコケをくわえ、引っ張っています。交代でくちばしいっぱいにくわえた2羽は、後になり先になり、飛び去りました。2〜3回行き来した後、今度はクモの巣を引っ張っています。エナガの巣は、コケとクモの巣を使って作ります。この2羽は、まさにその巣材集めにいそがしかったのです。  
 2日後、その木にまだコケがたっぷり残っているのに、エナガたちは別の林で、せっせと巣材集めをしていました。なぜ? 一ヵ所のコケを全部取り尽くさないようにしている? それとも、同じ木のコケでも、巣材に適している部分とそうではない部分がある? いや、もしかしたら、いたずらっ子たちの、ただの気まぐれかもしれません。 

 



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