第53回 平成21年(2009年)4月2日掲載


オオコノハズク

 蝶ネクタイでめかしこんだ猫? いえ、オオコノハズクという鳥です。フクロウの仲間ですから、昼の光は明るすぎて、薄目をあけるのが精一杯。ほとんど身動きもせず、木の洞で、瞑想にふけっていました。
 「仏法僧(ブッポウソウ)」と鳴くコノハズクは、かなりよく知られています。夏だけ日本に渡って来て、山地の林で子育てをします。それに対してオオコノハズクは、本州以南に1年中生息しています。関東平野の都市近郊には、北国の寒さを避けて移動してきて、人家付近の林、神社や寺の森などで冬を過ごします。全長20 センチ、小型のフクロウです。
 小鳥や小型哺乳類、両生類、昆虫などを捕食すると本に書かれています。冬の間昆虫や両生類などは少なくなりますから、小鳥類のメジロ、スズメ、ホオジロなどを、かなり捕食しているのでしょう。一方で、ある団地に住み着いたハヤブサに食べられたオオコノハズクの残骸を見たこともあります。
 夜、思いがけないほど身近な闇の中で、オオコノハズクは音もなく飛ぶ殺戮者として小鳥たちの恐怖の的となり、瞑想しているように見える昼間は、木のこぶと化して、上位捕食者の脅威に備えているのです。 

 



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