第54回 平成21年(2009年)4月30日掲載


チュウシャクシギ

 下向きに湾曲した長いくちばしのシギの仲間をシャクシギ(杓鴫)類と言い、ダイシャクシギ、チュウシャクシギ(=写真=)、コシャクシギの3種がいます。
 「シャク」は柄杓のことで、長いくちばしを意味すると言われています。前に、長い尾を柄杓の柄に見立て「エナガ(柄長)」と名づけられた小鳥のことをご紹介しましたが、今度は、くちばしの長さから名づけられています。昔、身近な生活用具の中で「長い物」というと、柄杓がすぐ思い浮かんだのでしょうか。今は物が多すぎて、何かひとつに連想が集まることはなさそうですが。 
 シャクシギ3種の中で、県内で比較的よく見られるのは、チュウシャクシギです。今の季節、田植え前後の水田にも立ち寄ります。海の方では数百羽の群れも見られますが、内陸である県内では、ほとんど数羽程度の群れです。海とは一味違う田んぼの中での出会いは、やさしく新鮮に見えます。あぜに穴をあけるザリガニを食べるので、農家の人たちも、わりと好意的な目で見ているように思います。
 田植え作業が進む水田に「ホィピピピ」、チュウシャクシギの澄んだ声が響きます。

 



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