第58回 平成21年(2009年)9月10日掲載


ハジロカイツブリ

 8月23 日、さいたま市内で、夏羽から冬羽に換羽をはじめたハジロカイツブリ=写真=に出会いました。この鳥は、日本では冬鳥です。・・・・と書き出すと、鋭い指摘があちこちから飛んできそう。「写真の鳥、あまり白くない。なんでハジロ?」「8月なのに、冬羽にかわる?」「冬鳥でしょ。8月は夏だよ」・・・・。
 ハジロカイツブリの夏羽は全身が黒っぽく、目の後ろに黄金色の飾り羽が目立ちます。冬羽は飾り羽がなく、全身が地味な白と黒。目が赤いのは、夏冬変わらない特徴で、飛ぶと翼の一部(次列風切)が白く見えるから、「羽白」です。
 野鳥たちは、夏の子育ての季節が過ぎると、すぐに冬の準備をはじめます。人間にとってはまだ夏であっても、鳥たちにゆっくりしている時間はありません。ただちに冬をむかえるための衣がえをはじめます。すむ場所も、夏の間餌が豊富で子育てに適していた地域から、冬を過ごすのに適した地域へと、移動を始めなければなりません。
 8月に県内でハジロカイツブリを見たのは珍しい例ですが、あり得ないことではありません。日にちをかけて冬羽にかわりながら、もっと南の方に飛んで行く、旅の途中だったのでしょう。

 



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