第63回 平成22年(2010年)2月11日掲載



オシドリ


 野鳥であることが信じられない思いでした。オシドリ=写真=です。写真やイラストで知っていても、実物を目にすると、おお、動いてる、わあ、飛んでいると、思わず馬鹿な感動をしてしまいました。私が初々しいバードウォッチャーだった頃の思い出です。
 全長45 センチくらい、カルガモよりだいぶ小さなカモです。日本とその近く、いわゆる極東地方にだけ分布。アムール川とウスリー川の流域・サハリン・日本で夏を過ごし、日本・朝鮮半島南部・中国南東部で越冬。子育ては山間の水辺近くの樹洞に営巣することが多く、真夏の秩父地方で、ヒナ連れのオシドリに出会ったこともあります。冬は平野部にも飛来、広葉樹が覆いかぶさる水面や、張り出した枝の上で休んでいます。
 野鳥たちは今、近づく春に備えて、結婚衣裳への着替えを進めています。その中でカモ類は早く、秋から初冬にかけて渡ってきた時には地味な羽色であったオスが、もうすっかり結婚衣装に着替え終っています。ヒトの女性は、結婚後もますます輝きを増します。しかし、オシドリのオスの場合は、結婚生活に入る直前の今が、最も美しく輝いています。 

 



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