第67回 平成22年(2010年)6月8日掲載


カルガモ

 3羽のひなを連れたカルガモ=写真=が、水面を軽やかに泳ぎまわり、岸近くにも寄って来ます。釣り人が「前はひながもっといたけど、ずいぶん少なくなった」と教えてくれました。カルガモは通常7〜12 個ほどの卵を産みますから、ひな3羽というのは確かに少ないわけです。孵化後7〜8週で飛べるようになるまでの間が、カルガモの生涯で最も危険が大きい時期です。ネコ、カラス、ヘビ、大型のカメや魚なども、ひなをひと呑みにしようとねらいます。全部のひなが何事もなく育つことは考えられません。通りがかったご婦人が携帯で撮影し、軽く会釈して行きました。みんな、ひなが無事に育つことを祈っています。
 今、野鳥たちには次々とひなが生まれています。1羽で不安そうな顔をしているひなを見かけても、どうか「保護」しないでください。親鳥が安全な場所に連れて行く途中であり、様々な危険や自然、餌のことなどを、急速に学習しているところです。どの鳥でも最も危険が大きいこの時期を、親に育てられながらのり越えなければ、野生で生きていくことができません。ひなを見かけたら、心の中で祈りながら、ほおっておくのが一番です。

 



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