第73回 平成22年(2010年)12月9日掲載


ユキホオジロ


 
 時々珍しい野鳥の情報が届くことがあります。ユキホオジロ=写真=のことを聞いたのは、今年1月でした。北極圏やその近くで繁殖し、冬は温暖な地域に移動、日本では北海道などで少数観察されることがあります。もちろん埼玉ではまだ記録がありません。そんな鳥が関東地方に来ているということでした。
 こんな時、そこに行くことが鳥にマイナスにならないか、現場のご近所に迷惑をかけることはないかなどをまず考えなければなりません。つい最近の11 月にも、県内のある駅前に居ついた鳥のことを報道した新聞記事を見て、マナー無視のカメラマンたちが集まり、様々なトラブルを起し、鳥はいなくなってしまったという例がありました。そんなことにならないように、地図を見て周囲の状況を確認し、情報を集めます。このユキホオジロの場合は、鳥にも近くの人たちにも特に悪影響はなさそうなので、2月になってから外房のある漁港にむかいました。
 小さな体ではるばる数千キロを旅して来て、風が冷たい埠頭の端で元気に飛び、餌をついばみ、輝く1羽のユキホオジロと少しの時間を共有し、私の記憶とカメラには、その姿がくっきりと残りました。

 

 



読売連載入口に戻る

前に戻る

次に進む