第80回 平成23年(2011年)9月1日掲載



ケリ



 8月27 日、川越市東部の水田が広がる地域。稲穂が垂れる農道で餌を採っていたのは、ケリ=写真=。くちばしから尾先までの全長は35 センチほど。こんなに脚が長く体が大きいのに、チドリの仲間です。日本のチドリ科の鳥で最大、翼を広げた端から端まで(翼開長)は75 センチにもなります。くちばしの黄色と黒の対比、飛んだ時の翼の白が目立ちます。
 世界的な分布は狭く、モンゴル東部・中国東北部・日本の一部で繁殖し、冬は中国南部・インドシナ北部に渡ります。日本では近畿より東の本州で繁殖し、地域によって冬は南に移動したり、越冬したりします。県内では局地的に生息しています。       
 子育て中のケリに近づこうとすると親鳥たちが激しく威嚇しながら飛びまわるという話を聞きますが、私はまだそういう場面に出会ったことはありません。そういう時季にそういう場所には、近づかないようにしているからです。
 この日は、思いがけない場所での偶然の出会いを楽しみ、かなり遠い、田んぼ2枚分ほど離れた場所から、雨に濡れた草に見え隠れする姿を撮影していたら、やがて一声、「ケリッ」と鳴いて飛び去りました。

 



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