第81回 平成23年(2011年)9月29日掲載



サンコウチョウ



 9月19 日の休日、午前中は当会が毎年実施しているシギ・チドリ秋の渡り調査。午後、日差しをさけて公園の林に椅子をすえてひと休み。近づいて来たシジュウカラの群れをぼおっとながめていたら、視界の端をかすめるようにひらりと飛ぶ影がひとつ。サンコウチョウ=写真=です。
 春と秋の渡りの途中、この公園にも少数立ち寄ります。成鳥オスの尾は長く、オスメスともに目の周りが青い、姿の美しい鳥です。でもこの日出会ったのは尾は短く、目の周りは青くない、今年生まれたばかりの若鳥です。本州以南の平地から低山の林で繁殖、冬はスマトラ島や中国南部などで過ごします。この夏日本のどこかで生まれた若鳥が、南の国への旅に出たところです。見えたのは1羽。近くに家族がいたのかな。もし1羽だけで旅をしているのなら、生まれてまだ数ヵ月のこの子だけで、はるかな旅ができるのでしょうか。なぜ方向がわかるのでしょう。成鳥でも渡りそのものが不思議いっぱいなのに、若鳥しか見えない時は、なおさら気になります。
 タカ、カモ、シギ・チドリや小鳥類、今、多くの鳥たちが日本列島を北から南に移動しています。謎に満ちた秋の渡りの季節です。

 



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