第82回 平成23年(2011年)10月27日掲載



チュウサギ




 日没が迫った田んぼで、私たちが子供のころは「エビガニ」と呼んでいたアメリカザリガニを、チュウサギ=写真=が次々と食べていました。
 ゆっくりとした動作で近づき、曲げていた長い首を突然伸ばし、すばやくとらえます。一緒にくわえてしまった草などを落としてからしっかりくわえ直し、激しく首を振ります。水しぶきが光ります。ザリガニのはさみを落とします。これで食事の準備完了。
 例えばカエルやドジョウを呑み込むときは、頭から呑み込みます。当然ですね。足や尾から呑み込むと、いろいろ引っかかりそう。では、ザリガニを呑み込む時はどちらから? 頭から? 尾から? どちらもどこかが引っかかる感じ。でもご心配なく。チュウサギはなんのためらいもなく、「つ」の字の形に丸まったザリガニの、曲がった所からあっさりひと呑み=右下写真=。なるほど、これならするりと入ると、小さく感服。
 全長約70 a。いわゆる「白鷺」の中で、その名の通り中くらいの大きさ。東南アジア、オーストラリアからアフリカまで広く分布し、日本には夏鳥として渡って来ます。10 月末になると、そろそろいなくなる季節です。

 



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