第83回 平成23年(2011年)11月24日掲載



カンムリシロムク



 10 月28 日、インドネシア・バリ島、バリ・バラット国立公園の一角に、船で渡りました。あいにく干潮で船を桟橋につけられず、海底のサンゴ片を踏みながら、足の裏が痛い上陸。そこで出会ったのは、全長約25 a、全身白、風切と尾の先端が黒、眼のまわりが青い、カンムリシロムク=写真=というムクドリ科の鳥です。
 1912年ころ発見されて以来、飼い鳥として密猟され、1970年代約200羽、1999年12 羽、2001年6羽と減り続けました。インドネシア政府は1971年から保護政策を始め、1987年からアメリカ、イギリスの協力を得て、国立公園内の整備・監視をしています。日本では、横浜ズーラシアの繁殖センターでこの鳥を増殖、現地に運んで放鳥を続けています。同行した国立公園レンジャーによると、現在世界中で確認できている野生個体は、この地域の35 羽だけ。その内の何羽かは、横浜で繁殖したものかその子孫でしょう。
 あまり知られていない日本の国際貢献に接した後、帰りは潮が上がってきたので足をぬらさず、揺れる桟橋から船に乗ることができました。乾季の終り近く、暑く乾いた保護区でした。

 



読売連載入口に戻る

前に戻る

次に進む