第84回 平成23年(2011年)12月22日掲載



クロツラヘラサギ


 川越市内で1127 日に見つけられたクロツラヘラサギ=写真=は、新聞各紙で報道された。その名前は「顔が黒い、へらのようなくちばしのサギ」という意味だが、実はサギ科ではなく、トキ科の鳥である。その名の通りの大きなくちばしを水中で左右に動かし、小魚などを捕食する。朝鮮半島近くの島と中国東北地方で繁殖し、冬は南方に渡る。日本には主に冬鳥として、九州地方を中心に飛来する。世界的に数が少ない絶滅危惧種である。  日本野鳥の会や東アジア各国の団体が協力して毎年1月に実施している世界一斉個体数調査の今年の結果では、台湾843羽、香港付近411羽、中国本土198羽など9地域合計1,848羽だった。日本では福岡県82羽、熊本県81羽など合計270羽が数えられた。前年に比べると世界で499羽減少、日本で11 羽増加したことになる。
 県内では、1987年12月本庄市、1988年4月渡良瀬遊水地、1992年12月戸田市、2003年8月川越市の4例が、当会記録委員会によって記録されている。飛来するのは若鳥が多く、今回も翼の先端が黒い若鳥だ。未来はこれら冒険好きの若鳥たちに託されている。

 



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