第86回 平成24年(2012年)3月1日掲載



メジロ


 アシ原の中の小さな水場近くに座っていたら、「チイ」「チイ」と小さな声で鳴き交わしながら、メジロ=写真=の群れが寄って来た。
 昨年はこのメジロについて嬉しい知らせが届いた。埼玉県では前から新たな捕獲は一切許可されていないが、全国レベルでは、1世帯1羽までの愛玩飼養を認める制度が続いていた。これが、2011年4月26 日、環境省中央環境審議会小委員会で、環境大臣の基本指針案として「密猟を助長するおそれがあることから、原則として許可しないこととする」こととなった。7月13日には野生生物部会で同案が了承され、本年4月から適用される。すでにメジロ以外の愛玩飼養は認められていないので、これで全国どこでも、すべての野鳥の捕獲が許可されなくなったわけである。長年にわたる野鳥の会と、野鳥の会会員たちが1992年に結成した全国野鳥密猟対策連絡会などの活動が、ついにむくわれたのだ。
 メジロたちの群れは,気のせいか、前よりずっと近くまできて、にぎやかにアシの皮をむき虫を食べ、順番に水浴びをして去って行った。もう少し暖かくなると、林の中から軽くつややかな、彼らの歌声が聞こえてくる。

 



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