第88回 平成24年(2012年)4月26日掲載



コミミズク


 昨年末からさいたま市内の荒川河川敷で人気を集めていたコミミズクというフクロウ科の鳥=写真=。「小さいミミズク」ではなく、「小さい耳のズク(フクロウ類)」という意味の名前で、耳の様に見える羽角(うかく)と呼ばれる羽が小さいのがその由来である。この写真の様に、羽角がほとんど見えないこともある。
 全長40 a弱。ユーラシア、アメリカなどの中高緯度地帯で繁殖し、冬は亜熱帯まで渡り、草原や湿地でくらす。日本では冬、アシ原がある全国の河川敷、湿地、田んぼなど、開けた場所でネズミなどを捕る。主に夜行性だが、日のある内から飛び始めることもある。
 この冬はコミミズクが多いようなので、県内の情報を当会役員たちから集めてみたら、さいたま市内4ヵ所合計5羽を含めて、9ヵ所17 羽の報告が届いた。荒川水系の河川敷に例年より多いような印象だ。昨年の台風で利根川水系の河川敷が多く冠水してネズミが少なくなり、荒川水系のネズミを求めて飛来したのだと言う人もいる。興味深い説だが、実際の冠水状況、ネズミの数の変化など基礎的なデータによる裏づけはなく、正しいかどうか分らない。このコミミズクは、1月中に姿を消した。




余分な話を少々:見出しはいつも読売本社整理部の方でつけています。
 今回校正の時につけられた見出しは、「耳の正体 小さな羽」。これはお分かりのとおり、間違いです。羽角は「耳の様に見える羽」に過ぎず、耳の正体ではありません。正しい耳は別の場所にあります。
 そこでさいたま支局を通じてやりとりして、結局落ち着いたのは、「小さい「耳」 実は羽毛」というもの。明らかな間違いはないけれども、意味がよくわからない見出しになってしまいました。
 長年続けていると、いろいろなことがあります。

 



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