第90回 平成24年(2012年)7月5日掲載



サルハマシギ


 荒川を挟んださいたま市と志木市の田んぼを行き来して、今年5月6日から1週間ほど滞在していたのは、サルハマシギ成鳥夏羽=写真=2羽。全長約22 a。形態などがハマシギに似ていて、夏羽の鮮やかな赤褐色が猿の顔色を思わせるということで、この名になった。
 シベリア北部などで繁殖する。越冬地のひとつオーストラリアでは数千羽の群れも見られるというが、その渡りルートは大陸側に寄っているようで、日本には旅鳥として少数が立ち寄るだけ。大陸の縁にあるホンコン・マイポ湿地では、春、干潟を赤錆色にそめるサルハマシギたちの群れを見たことがある。古く楽しい思い出だ。そして今回、田植えが終った緑の水田で見ると、ずっときれいだと思うのは、地元びいきかな。
 県内では1979年8月さいたま市で冬羽1羽が観察されたと埼玉大学野鳥研究会『鳥類観察報告5』にあるのが最も古い記録で、その後当会の会報『しらこばと』に、1989年6月と1992年5月戸田市、1993年5月和光市、2000年11 月川本町(当時)と川口市で観察したとの記録が残されている。他にも報告されていない例があるかもしれないが、観察情報は多くない。



 



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