第94回 平成24年(2012年)11月22日掲載



クロジ


 10 月末、さいたま市内の公園で、クロジ=写真=に出会った。長い旅をして飛来したばかりか、落ち葉をかき分け、草の実などを一心不乱に食べていた。
 全長約17 cm。スズメより少し大きいホオジロ科の鳥。カムチャッカ半島、サハリンと日本に生息する。日本では北海道や本州の山地で繁殖し、冬は暖かい地方に移動する。県内の平野部では、冬の間だけ見る事ができる。 オスの成鳥は全身黒っぽいので「クロジ」と呼ばれる。「ジ」の漢字は難しいが、ホオジロ類を示す古い言葉。ほかに、緑色の「アオジ」という鳥がいるが、「アカジ」という鳥はいない。「アカジ」はなくて「クロジ」はいる。少しうれしい・・・かな。
 もともと数は多くない鳥だが、この冬は、ここ以外の場所でも観察され、少し多いような印象だ。昨冬は冬の小鳥類の飛来が極端に少なかった。今冬はこのクロジをはじめ、すでに何種類か観察されている。多くの冬の小鳥たちが期待できるかもしれない。
 北国や山地の草木の実が少ないと、本州平野部に冬の小鳥たちが多く飛来するという話がある。それを考えると、単純に喜んでもいられないけれど。 


 



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