第99回 平成25年(2013年)4月18日掲載




ホオジロ


 新鮮な緑が爽やかなこの季節、木のてっぺんなど目立つ所で歌い続けるのはホオジロ=写真=。「頬が白いのでホオジロ」と説明すると、「頬は白くない。黒いじゃないか」と言われることがある。しかし、くちばし基部から斜め下に太い白線がある。この線を「頬線」と言う。つまり、頬線が白い鳥なのだ。近い種類で頬が赤いホオアカという鳥がいる。それとの対比で、頬のあたりに白い部分があるのはホオジロだとおぼえた方が、わかりやすいかも知れない。
 全長約17 a。日本や近くのユーラシア大陸中緯度帯に分布する。留鳥。寒い地域のものは、冬季温暖な地域に移動する。日露渡り条約指定種。千葉県では県の鳥になっている。
 複雑なさえずりを人の言葉に置き換えておぼえるのを「聞きなし」と言う。ホオジロのさえずりを「一筆啓上つかまつり候」と聞きなすのは、昔からよく知られている。ほかに「源平つつじ白つつじ」、「札幌ラーメン味噌ラーメン」など様々ある。ある子が「ちょいと姉さん酒持って来い」と聞きなしたという話を聞いた。どんな子かな。野山にホオジロの歌が響き渡る今、独創的な聞きなしを考えるのも楽しい。


 



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