第100回 平成25年(2013年)5月23日掲載




ツバメ


 正装を身に着け、巣材運びに忙しいツバメ=写真=。毎年季節を告げてくれる身近な鳥だが、近年少なくなったのではないかと言われている。日本野鳥の会は昨年全国調査を実施した。
 全国すべての都道府県から8000件以上の情報が寄せられ、環境省が2004年に実施した鳥類分布調査と比較すると、特に分布域が減少している傾向は見られなかった。しかし、情報提供者の40 %近くが最近10 年間でツバメの数が減っていると報告した。
 その原因としては、農地自然環境や建築工法建材の変化なども挙げられたが、最多はカラスによる影響300件近く、次が人による巣の撤去200件以上だった。すべて人の存在が大きく影響している。自然と人の共存の象徴と言われるツバメに対する関心そのものが薄れてきているのかもしれない。あるいは人々の心の中に、何か少し変化が生まれているのだろうか。
 チェルノブイリ原発事故ではツバメの部分白化や尾羽の異常が報告されているためその情報も集めたが、特に発生率が高くなる傾向は見られなかったとのこと。ツバメは季節の便りを届けてくれるだけではなく、様々なことを私たちに伝えている。


 



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