第104回 平成25年(2013年)10月3日掲載




ハチクマアカハラダカ


 秋、長崎県五島列島を旅立ったハチクマ=写真右上=は西に飛んで大陸に渡り、比較的海に近いルートを南下。インドシナ半島、マレー半島を経て、インドネシアの島などに渡る。
 春は越冬地からマレー半島などを逆に辿り、大陸の比較的内陸部を北上。朝鮮半島から西日本に飛び、日本列島を東に北に、旅を続ける。
 なぜ秋と春のルートが違うのかは分らない。ハチクマの不思議のひとつだ。
 鳥友たちに誘われて、今年も9月末、長崎県に旅をした。福江島でまた数多くのハチクマを見たが、佐世保市烏帽子岳のアカハラダカ=写真左下=も、印象に残った。 
 全長約30 a。キジバトよりも小さく、翼先端の黒色部が目立つアカハラダカは、中国北東部、朝鮮半島などで繁殖。九州を縦断して東南アジア方面への渡りをする。日本野鳥の会長崎県支部が長年にわたり調査を続けていて、1日2000羽を超えることもある。
 烏帽子岳上空では、東から西に向うハチクマと、北から南に飛ぶアカハラダカが行き交う。空の上の交差点。毎年繰り返される壮大なドラマだ。(前回9月5日付けハチクマの話に、一部誤記がありました。)

 



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