第108回 平成26年(2014年)2月6日掲載




ノスリ


 関東地方平野部では、冬の間、晴れ渡った青空をバックに、円を描いてゆったりと飛び、あるいは梢にたたずむタカ、ノスリ=写真=をよく見かける。
  「野をこする様な低空飛行をする」からこう呼ばれるとの説があるが、私が国内外の様々な場面で見た限りでは、そのような飛び方をすることはあまりない。別に「オオタカのオスをセウと言う。林に棲むセウに対し、野に棲むセウ、ノセウ。そこからノスリになった」との説もあるが、これもどうもすとんと胸に落ちない気がする。名前の由来はよくわからない。
 ユーラシア大陸に広く分布し、日本では北海道から四国の低山、山麓などで繁殖。冬は全国の農耕地、時には住宅地でも見かけることがある。
 端から端まで1b30 aほどにもなる翼を広げ、開いた扇のように丸みを帯びた尾羽先端、「胴巻き」と呼ばれる腹模様を見せながら大空に浮かぶ猛禽類がいたら、それはノスリだ。タカ類の多くは黄色の鋭い目をしているが、この鳥の目は黒っぽく、あまりタカらしくない顔をしている。枝にとまる姿を「木の上のネコみたい」と誰かが言った。
 今は楽しみいろいろな、冬の真っ最中。

 




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