第109回 平成26年(2014年)3月6日掲載




アカハラとシロハラ


  アカハラ=写真上=とシロハラ=写真下=は、ともに全長24 a前後のツグミの仲間。冬の間、県内平野部でも観察される。アカハラは胸と脇腹の赤みを帯びた朱色が目立ち、シロハラの胸から腹は淡褐色から白で少し地味。その名の通り、胸から腹の色で、両種は明らかに区別できる。声も少し違う。
 夏の間、アカハラは本州の少し標高の高い地域などで繁殖し、シロハラは大陸東部で繁殖する。冬、温かい平野部に移動して来ると、シロハラは比較的明るい雑木林などに棲み、アカハラは、より茂った環境を好む傾向があるように思えるが、それほど大きな差はない。  県内平野部では春のいつごろまで観察されるか、当会の過去の探鳥会記録を調べてみたら、ともに5月10 日、さいたま市秋ヶ瀬公園探鳥会での観察が、最も遅い記録だった。意外と遅くまで滞在しているものだ。まだしばらくの間は、十分に期待できる。
 田畑や見通しの良い広場で胸を張っているのはツグミたち。林の中や茂みの近くでそっと餌を探している鳥たちがいたら、シロハラ、アカハラかもしれない。派手な主役とは言えないが、季節を静かにいろどる名脇役、大切な小さな来訪者たちだ。

 




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