第110回 平成26年(2014年)4月3日掲載




タカブシギ


 当会では、春と秋の2回、シギ・チドリ類の調査を長年続けている。さいたま市西部に広がる荒川左岸、私たちが通称「大久保農耕地」と呼んでいる水田地域で、春は毎年4月末近くの休日を調査日にしている。
 多い時で数百羽ほどのシギ・チドリ類がカウントされるが、その中でこのごろ気になっているのは、タカブシギ=写真=。全長約21 a。広くユーラシア大陸北部で繁殖し、冬はアフリカ、インド、東南アジアなどに渡り、日本には旅の途中、春と秋に立ち寄る。 
 私がバードウオッチングを始めた40 年ほど前には、その時季、比較的普通に見ることができるシギの1種だったと思う。それがいつごろからか、「タカブシギって、どこに行ったら見えますか」と質問されるようになった。気がついてみたら、確かにだいぶ少なくなったように思う。
 過去の春の調査結果を見ると、1989年には69 羽を数えたのが、2004年6羽に減り、05 年以降4羽、1羽、0羽という数字が続く。
 鳴き声や行動に鋭さを感じさせるこの長距離旅行者は、なぜ少なくなったのだろう。今年も今月、私たちは田んぼを歩き、地味な調査を続ける。

 




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