第118回 平成26年(2014年)12月18日掲載




タヒバリ


  冬の鳥として、今まで、ルリビタキ、ジョウビタキ、ウソ、ベニマシコなど、色鮮やかで人気のある鳥たちのことを書いてきたが、自分も名前に反し美しくない身として、地味な鳥のことを書きたくなった。選んだのはタヒバリ=写真=。冬に限らず、「日本の年間地味な鳥ベストスリー」を選んでも、ほぼ確実に入ると思われる鳥だ。
 全長約16a。スズメより少し大きい。雌雄同じ褐色系の色。ヒバリに似た羽色で、冬の枯れ田にいることが多いので「タヒバリ」と呼ばれるが、実はセキレイ科の鳥。ハクセキレイなどと同じように、尾を上下にふりながら歩く。群れでいることが多い。10月初めころから5月末ころまでいる。
 飛び立つ時に「チィ」または「ピピッ」と小さく鳴く。繁殖時期にはより複雑な声でさえずるものと思うが、鳴き声から、英名は「Pipit」という。英名「Pipit」、学名「Anthus」と名のついたセキレイ科タヒバリ属の鳥を調べたら、私がざっと見ただけでも、世界中にヨーロッパタヒバリやアメリカタヒバリなど44種もの仲間がいた。地味ではあるけれど、背景に世界の広がりを感じさせる存在だ。
 日本に来るタヒバリは、「日米渡り鳥条約」「日露渡り鳥条約」「日中渡り鳥協定」の指定種にもなっている。

 




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