第119回 平成27年(2015年)2月5日掲載




トラフズク


  人が近寄れない川向こうの竹藪で、今年もトラフズク=写真=が数羽、冬を越している。
 全長約36a。フクロウの仲間。全身の褐色の模様を虎の(ふ)に見たて、「トラフ」がある「ズク(フクロウ類の一部)」、「トラフズク」と呼ぶ。   耳のように見える(うかく)という羽があるフクロウ類を「ミミズク」とも言う。その中で、コミミズクは羽角が小さく、コノハズクは木の葉に隠れてしまうと言われるほど体が小さい。ほどほどに体が大きく、羽角が立派なトラフズクは、ミミズクの代表格と言える。
  北米やユーラシアの温帯域に広く分布している。亜高山帯から平地の林で局地的に繁殖し、北方の個体は冬に南下する。県内の平野部では、その南下組と思われる小群が、冬の間だけ、人家近くで過ごすことがある。県北の、元気な子供たちの声が聞こえる場所にいたことや、県南の、お寺の境内林にいたこともある。昼間は目を閉じて動かない事が多いが、夜になると活発に活動する。羽音をたてずに飛び、主にネズミ類を捕食する。
  埼玉県レッドデータブックでは、絶滅危惧TB類(近い将来県内では野生での絶滅の危険性が高い)種とされている。日露渡り鳥条約や日中渡り鳥協定の指定種にもなっている。大切にしたい冬のお客様だ。

 




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