第121回 平成27年(2015年)4月9日掲載




アマサギ


   4月。田んぼで農作業が進み、農道わきに小さな花々が咲く。白いサギ類が次々と舞い降りる。中には、今回の主役アマサギ=写真=もいる。
 白い体に、頭、後頸、胸、背の飾り羽の、赤、黄、褐色を微妙に配合した色が美しい。この色を水飴の色に例え、「飴鷺」から「アマサギ」と呼ばれるようになったと言う。昔の水飴はこんなきれいな色だったのかなと、少し首を傾げる。「亜麻鷺」「黄毛鷺」などと書くこともある。別名「猩々(しょうじょう)(さぎ)」という。「猩々」とは、酒好きの想像上の動物。子供のころ「野田の鷺山」を見学した時、農家の縁先に置かれたアマサギのはく製に、「猩々鷺」と書かれた木の名札が添えられていたのが、記憶に残っている。
 世界のわりと広い範囲に分布している。遠くは、南アフリカのケープ地方で見た。東南アジアなど、牛や馬のいる所では、その上に乗ったり、後をついて歩き、虫などを捕えて食べている。英語名は、その行動から「Cattle() Egret()」。日本には夏鳥として4月ごろに飛来する。牛馬がいなくなった日本では、動き回る農業機械の後を歩いて、飛びだす虫を狙っている。
 夏の間日本で子育てをして過ごし、9月ごろ、飾り羽がない白い羽に変わり、南の国に帰る。日本の暖地で、一部越冬するものもいる。

 




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