第122回 平成27年(2015年)5月21日掲載




キアシシギ


  5月、連休過ぎの静かな一日、田植えの準備が進んだ田んぼでキアシシギ(黄足または黄脚鴫)=写真=を撮影していたら、何の写真をとっているのかと、ご近所の奥さんに尋ねられた。シギの仲間のキアシシギが10数羽、チドリの仲間のムナグロが20〜30羽、あの辺とあの辺に降りていますと指差すと、こんな所にそんな鳥がいるんですか、と驚いていた。いるんですよ、少し目を向ければ、けっこう身近な所にも。
 キアシシギは全長約25a。あまり模様のない灰色っぽい背、細かな横縞模様の腹、黄色の足が特徴の水辺の鳥。冬の間オーストラリア沿岸などで過ごし、夏はシベリア北東部に渡って子育てをする。日本には旅の途中、春と秋に立ち寄る。海岸の干潟や砂浜などに多くいるが、内陸部の水田にも飛来する。つい先日、千葉県の干潟でも見て来たが、海より田んぼで見るキアシシギの方がいいなと、私は勝手に決めつけている。よく通る声で「ピューイ」と鳴く。
 奥さんは、ここの農家の人たちが無農薬栽培に力を入れているから鳥が増えたのかしら、などと話してくれた。なぜか鳥が良く降りる田んぼと降りない田んぼがある。人の目には同じように広がって見える田んぼも、鳥には違いがあるのだろう。

 




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