第126回 平成27年(2015年)10月17日掲載




ミサゴ


  10月初旬。県南の広い池のほとりで、タカの仲間、ミサゴ=写真=が魚を食べていた。主食が魚なので、海岸付近にいることが多い。海がない埼玉県では比較的少ないが、時には大きな川沿いに飛んで来る。なぜか近ごろ、見る機会が増えたような気がする。
 翼を広げると1.5m以上の大きさ。世界中に広く分布していて、それが全部ひとつの種であるという説と、オーストラリア付近に生息する少し小型のタイプを別種とする説がある。環境省レッドリスト準絶滅危惧種、日米・日露渡り鳥条約指定種などになっている。
 英名は「Osprey」。空中に停止して羽ばたくホバリングという飛び方をするので、同様な機能を持つアメリカ製軍用機に名前を使われているが、ミサゴは想像もつかない昔から連綿と、世界中で魚を獲り、子育てを続けているだけ。
  「みさご鮨」という屋号の鮨屋さんが全国にあるとか。「ミサゴが貯蔵、あるいは食べ残した魚が発酵したのが鮨の起源」との話による。その名の鮨屋さんには申し訳ないが、ミサゴが魚を貯蔵することはないと思う。もし食べ残しても、都合よく適度に発酵することがよくあるとも考えられない。「東南アジア山地民の魚の保存法が鮨の起源」との話もある。
 足で魚を押さえ食べ続け、最後は尾まで丸呑みにして、満足そうに周囲を見渡したこのミサゴは、まだ若い。

 




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