第130回 平成28年(2016年)3月26日掲載




オオホシハジロ


  1月20日、県南部に広がる荒川第一調節池の彩湖で、珍しいカモに出会った。水面に浮かぶホシハジロとキンクロハジロの群れのはずれの方に、オオホシハジロのメス=写真=が1羽、混じっていたのだ。
 近縁種のホシハジロのメスに良く似ているが、体の色が全体的に淡いこと、くちばし全体が黒く、額からなだらかにつながって長く見えることなどが、くちばし先端近くに白っぽい部分があるホシハジロのメスとは違う。名前の通り大きさも違うが、その差は、遠く水面に浮かんでいる状態では、あまり分からない。
 アジアからヨーロツパにかけて分布し、日本にも数多く飛来するホシハジロに対し、オオホシハジロは、アラスカ中部から中央アメリカまで、主に北米大陸に生息している。だから、日本に飛来する数は少ない。「迷鳥」としている図鑑もある。
 当会の記録によると、県内では、1979年に大宮市(当時)で写真撮影されたが、その他には、85年川越市、88年久喜市、2000年坂戸市、10年にさいたま市で観察されたと、写真のない報告が寄せられただけである。
 2月4日開催の当会探鳥会でも観察できて、情報を伝え聞いた多くの人が集まるようになった。昼間はくちばしを羽の中に入れて寝ていることが多いので、見分けるのに皆苦労していた。2月中に姿が見えなくなったようだ。
 3月20日、同じ水面に浮かぶカモたちは約50羽。半分ほどに減った。数千キロ離れた北の大地へ、次々と旅立っている。

 




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