第135回 平成28年(2016年)10月1日掲載




オオノスリ


  8月末、モンゴルに旅をした。首都ウランバートルから南ゴビに至る高速道路ができたので、それを利用して南ゴビの鳥たちを観察しようと、7年ぶりに出かけたのだ。
 高速道路と言っても、高架はない。片側1車線の舗装道路が、100q先の山並みが見えるという草原に、延々と続いている。所々でヒツジ、馬などの家畜の群れとゲルが見える。さえぎるもののない太陽に熱せられた路面に、午後6時近くになっても逃げ水が現れる。 道路の両脇には、ソウゲンワシ、クロハゲワシなどの猛禽類が、点在する家畜の死体目当てに、降りている。今回はその中で、オオノスリ=写真=の話をしよう。
 当県平野部にも冬に飛来するノスリというタカの仲間。ノスリより大きく、空を舞う姿を見上げると、翼の先端近く、初列風切と呼ばれる羽の基部近くの白さが目立つ。モンゴルや中国の北東部などで繁殖し、冬はインド、朝鮮半島などに渡る。日本には、まれな冬鳥として、日本最西端の与那国島などに飛来する。埼玉では、2008年3月、比企郡嵐山町の道路で見つかった大きな鳥の死体がオオノスリではないかと思われたが、残された写真などを詳細に調べたら、オオノスリとは違う特徴が見られたという例があっただけ。まだ確実な記録はない。しかし近県では、茨城で確認されている。だったら、埼玉でも・・・。
 今回の旅では、たくさんのオオノスリを見て、撮影もしてきた。さあ、この冬、埼玉に、いつオオノスリが飛んで来てもいいよ。

 




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