第135回 平成28年(2016年)10月1日掲載




コガモ


  本欄開始以来12年が過ぎた。私としては今回で136回目になる。過去のリストを見て、コガモ=写真=をまだ書いていないことに気がついた。身近な鳥なのに、意外。
 今、冬鳥たちが次々と北の国から渡って来ている。カモたちの中で最も早く、9月初めから姿を見せたのは、いつも通りコガモ。「あの沼にコガモが来ていたよ」「ああ、もうその季節なんだ」。毎年夏の終わりに繰り返される我が家の会話である。
 漢字で書くと「子鴨」ではなく「小鴨」。全長約38aの小さいカモだが、今年生まれの「小鴨」の「子鴨」も、もう数千キロを旅するまでに育っている。
 写真はメス。渡って来たばかりの今頃は、オスもメスと同じような色合いで、ほとんど違いが見えない。冬の間にオスは色鮮やかな繁殖羽に換羽し、メスは、子育てに有利な地味な色合いのままで冬を越す。
 コガモの春の旅立ちは、カモ類で最も遅い。5月半ばころまで居ることがある。短い夏の間繁殖地で子育てをして、それが終わるとオスはまた地味な羽に変わり、メスや子と共に、日本などに飛来する。最も遅く旅立ち、最も早く戻って来るのだから、コガモは渡りをするカモの中では最も長い期間を日本で過ごす。日本にいる期間の方が、繁殖地より長いのだ。
 数は比較的多い。当会が毎年実施しているカウント調査では、常に2位か3位に入っている。

 


写真館入口に戻る

読売連載入口に戻る

前に戻る

次に進む