第139回 平成29年(2017年)2月18日掲載




ヒバリ


 空から降って来るはずのヒバリの歌が、地上から聞こえてくることがある。見まわせば、道路わきの杭の上でさえずっている=写真=。時には地面の少し盛り上がった所や、全然盛り上がっていない所でも声を張り上げている。彼らに直接尋ねたことはないけれど、ただの怠け者か、もしかしたら高所恐怖症のヒバリではないかと、ひそかに疑っている。
 通常働き者のヒバリたちは、ようやく点に見えるほど高い空で、勤勉に歌い続けている。漢字で書くと「雲雀」。晴れた日に鳴くことから「日晴り」が語源であるという説がある。
 冬の間は飛び立つときに「ビルッ」と鳴くだけだが、春になると高らかに鳴き始める。昔から人々によく知られ、親しまれていて、多くの地方名がある。天雀(てんじゃく)、叫天子(きょうてんし)など、いかにもそれらしい名で呼ばれたこともあるという。

 現在多くの県市町がシンボルとしている。県では茨城県と熊本県。市町では、ざっと数えただけでも、全国で40市町をこえていた。埼玉県内では、所沢市、熊谷市、入間市、川島町、吉見町、三芳町の6市町がそれぞれの鳥にしている。
 ユーラシアと北アフリカに広く分布し、日本では九州以北の全域で繁殖する。
 少しまじめにヒバリのことを考えていたら、怠け者や高所恐怖症のヒバリというのは、もしかしたら私の誤解かもしれないという気になってきた。

 


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